患者の心に寄り添う看護師

病院やクリニックを作るとき、医療コンサルタントや病院の設計建設に慣れた建設会社や工務店・設計事務所などが表舞台で仕事をします。彼らの多くが豊富な知識と経験を持ち、どのような設計でどのような材料を使用して作ればいいかを、よく理解しているものです。適切な医療機器類の選定やレイアウト、それに必要な電源の確保など専門家らしいプロの仕事で病院を作ります。そして出来上がる医療機関が、私たちが普段目にする病院の姿です。機能的で無駄がなく、清潔感があることがすべての医療機関に共通している特徴でしょう。そこで働く医師や看護師のことを、よく考えて作られているといえます。しかし、良い看護師と同じように良い病院があるとすれば、それはどのような病院でしょうか。看護師に関してみていきます。多くの人の答えは、患者の目線で接してくれる人となるはずです。では、患者の目線で接してくれる病院とは何でしょう。患者に最も近い看護師を例にとって考えてみると、比較的分かりやすいようです。毎朝の検温から始まる一日は、看護師とのやりとりが中心です。おはようという看護師の明るい掛け声から、患者の一日は始まります。病気で入院している患者にとって看護師は、日々の生活を指導する絶対的な権力を持つ存在に映るものです。冷たい態度や上から目線で指示をされたりすれば、患者は想像以上に落ち込みます。それは、病気のせいで普段よりも気持ちが弱くなっているからです。この点をよく理解して患者の心に寄り添える看護師は、良い看護師だといえます。病院も、弱っている患者の心に優しく接するという思想で作られれば、もっと居心地の良い空間になるでしょう。